基礎代謝と体重の話。基礎代謝が上がれば痩せるは勘違い?
基礎代謝を上げれば痩せやすい体になる、とか基礎代謝を上げれば痩せる、っていう話はよく聞きますよね。
しかし!
実はこれ、大きな勘違いなんです!
基礎代謝とダイエットはどういう関係があるのか順を追ってお話ししていきます。
「代謝」の基礎知識
まず「代謝」というのはよく聞きますよね。
この「代謝」は2種類に分けることができます。
①身体を作る代謝
摂った栄養を分解し、脳、内臓、血液、筋肉、肌、髪などなど、私たちの身体を作る代謝です。
日々の細胞の生まれ変わりのことを言う「新陳代謝」もこの一つです。
②エネルギーとして消費する代謝
大きく分けて「基礎代謝」「活動代謝」「食事誘導性体熱産生」に分けることができます。
基礎代謝
消費エネルギーの7割を占めます。
呼吸や体温調節、各種臓器の働きなど生命活動には欠かせないエネルギー消費のことを基礎代謝と言います。
寝ているだけでもエネルギーが消費される、というのはこの基礎代謝が理由です。
活動代謝
消費エネルギーの2割を占めます。
体を動かすことで消費されるエネルギーのことです。
家事や仕事、運動などがここに含まれます。
食事誘導性体熱産生
DITと呼ばれていて、消費エネルギーの1割を占めます。
食後の消化吸収過程で熱となって消費されるエネルギーのことです。
参考:ヘルスケア大学
以上を見てもらうと分かるとおり、基礎代謝というのは消費エネルギー全体の70%を占める大切な活動です。
「痩せる」基本ルール
痩せる公式があります。
「消費カロリー」>「摂取カロリー」
つまり、食べたカロリーより消費するカロリーの方が多ければ痩せるということです。
これがダイエットの基本ですよね。
基礎代謝と体重の関係とは?
基礎代謝が消費エネルギーとして大切というのは分かりました。
じゃあ基礎代謝を上げればどんどん消費されるエネルギーも増えて、上記の公式通り摂取カロリーを上回れば痩せますよね。
・・・
ここで問題なのが、基礎代謝を「上げれば」という部分です。
ではどうすれば基礎代謝が上がると思いますか?
・・・
基礎代謝も含めた消費エネルギーというのは、体格が大きければ大きい程・活動の強度が高ければ高いほど・活動時間が長ければ長い程、消費エネルギー量は多くなります。
噛み砕いて言えば、デブがハードなトレーニングを長時間するのが最もエネルギーが消費されるということです。
このことから分かるのは体格が大きい、簡単に言えば太っている人の方が痩せている人より消費エネルギーが多いということ。
そして太っている人の方が痩せている人より生命活動に必要なエネルギー量、基礎代謝量も多いということなんです。
参考:e-ヘルスネット
理屈で言えば、基礎代謝を上げる最も簡単な方法は「体重を増やす」という話になります。
筋肉を増やせば基礎代謝が上がって痩せる、という話を聞いたことありませんか?
これは厳密に言えば間違いです。
筋肉を増やすことで体重も増え基礎代謝は上がります。
脂肪よりも筋肉が増えれば見た目はスマートに見えますよね。
言いたいことはそういうことです。
ですが、筋肉を純粋に増やすというのは素人レベルではかなり難しいことです。
なので基礎代謝を上げるために筋肉をつけるというのは努力対効果が悪いといえます。
知恵袋の回答ではよく体重を増やすことが基礎代謝を上げる方法だよという答えがよく見受けられますが、理屈で言えばその通りなんですね。
厳密に言えば、基礎代謝を上げれば痩せるというのは勘違いと言えます。
体重が軽いのに太っている人並みに基礎代謝を上げるのは不可能です。
ですが!
基礎代謝を上げたい、ということはつまり痩せたいということですよね?
基礎代謝を高めて痩せることは可能です。
太るということはつまり、
「消費カロリー」より「摂取カロリー」が多いということ。
消費カロリーの7割を占める基礎代謝を高めて(基礎代謝が下がるのを防いで)摂取カロリーをそれより減らせば痩せることができます。
次回の記事は基礎代謝の高め方のお話しをしたいと思います。