仕事のプロ意識は誰かに強制されるものではない
電通の元・女性新入社員の方のニュースが話題となっている中、こんなことを言っている人がいます。
「自分が請け負った仕事をプロとして完遂する強い意思があれば、残業時間は関係ない」
武蔵野大学の長谷川秀夫教授の発言です。
「残業時間が100時間を越えたぐらいで自殺するのは情けない」とも発言したそうですが、まぁこの方の是非については置いておきます。
さて、仕事にプロ意識を持ちなさいとはよく言われていると思います。
特に若い方であれば、年長者や上司からそう言われることもあるでしょう。
確かに、請け負った仕事をプロとして完遂する強い意思があれば残業時間なんか気にすることなくやり抜けます、やり切れます。
でもそれって、誰かにやれと言われてできることなんでしょうか?プロ意識は人に強制されるものなんでしょうか?誰かにやらされなければいけないんでしょうか?
今回はその部分を掘り下げていきます。あなたの仕事上で役に立つヒントがあるかもしれません。
目次
プロ意識とは何か?
「プロ意識」という言葉が使い始められたのはさほど古くはないが、特に芸能人やプロスポーツ選手、料理人に対し、「見に来てくださるお客様のために健康面で気をつけている」や「いい成績を残すためにプロのスポーツマンとして私生活から改善を図っている」など、自分の技能や技術で身を立てる者が、当然に求められる結果を出すために日々研鑽や努力を惜しまない姿勢を「プロ意識が高い」とマスコミなどによって讃美される傾向がある。一方で、こういった専門職種に従事する者は、不祥事や醜聞などで「プロ意識が足りない」などと罵倒されることもままある。また、医師や看護師、消防士や警察官など高度な技術はもとより高い使命感により過酷な業務に耐えている職種でも同様である。
参考:プロ意識.Wikipedia
しかし、このプロ意識という言葉は一般的な会社員、接客業に携わる方の間でも使われる言葉だと思います。
一社員として組織の中で働く場合、「なにをもってプロと定義するか?」この問題があります。
上司、さらにその上の役職の人間は部下になにを求めているのか?
答えは明確です。
会社や組織に貢献すること。もっと、生々しく言えば、「私たちの」役に立つこと。
それを部下に求めています。
この言い方はかなり直球ストレートに言っていますが、程度の差はあれどこれが根っこだと思います。
プロ意識を持て、と上の人間から言われる意味はそういうことです。
人はプロ意識とやたらに言いたがる
芸能人がスポーツ選手が不祥事を起こせばプロ意識がないと世間から言われます。
会社もそうです。プロ意識を持てと言われます。
プロ意識があることで逆に毛嫌いされる場合もあるかもしれません。意識高くてウザいとね。
持てと言われたり、持っても文句言われたり、持っていないと非難されたり、、、
人は人にとやかく言いたがります。
なんでそんなプロ意識って言いたがるんでしょうね?
そもそも誰かにとやかく言われるものなんでしょうか?
プロ意識は誰かから強制されるものではないはず
プロ意識を持てと言われて持つことができますか?はっきり言って私は無理です。
もちろんプロ意識は大切です。
ですが、それは誰かに言われて持てるものではなく、自分の意思でそうしたいと思うから芽生えるものだと思っています。
このサイトでも何回も「情熱」についてお話ししていますが、自分の意思でそうしたい思えるかどうかはその仕事に対して「情熱」があるかどうかによって決まります。
その仕事に対する情熱は、最初から持っている場合と、時間をかけてその仕事にやりがいを感じてからの場合があると思います。
プロ意識を持てと他人から言われても本人がその仕事に対して情熱を感じていないのであれば無理な話です。
逆に言えば、本人がその仕事に対して情熱を持っていたり、やりがいを感じることができればプロ意識もだんだんと育つのではないでしょうか。
あなたにプロ意識はありますか?簡単なプロ意識チェック!
1)誰かの承認を必要とせず、自ら必要と判断し実行する
2)妥協しない
3)業務時間という枠は関係ない
4)必要なことを必要なだけやる
5)積極的
6)感情に振り回されない
7)誰かに振り回されない
この中のうち1つでも、うなずけるものがあればあなたにはプロ意識があるでしょう。
もし1つもないのならその仕事に情熱を感じていない可能性があります、、、
どんな仕事にもプロ意識を持つ必要がある
芸能人やスポーツ選手だけではありません。会社員だって、バイトだってプロ意識は必要です。
その仕事でお金をもらう以上はその仕事において自分はプロです。
バイトのくせにプロ意識高いとかバカにする人もいるかもしれませんが、バイトであろうとその仕事に真剣に取り組んでいる人間の方がよっぽど立派です。
会社員も同じ。ただ仕事をこなすだけの社員、愚痴ばっかり不満タラタラの社員より、その仕事に真剣に取り組んでいる人間の方がよっぽど立派です。
アマチュアで良いなら別にそれでも構いませんよ。だけど、ただただ年齢だけを積み重ねるだけになるでしょうけどね。もしくはずっと不満を抱えたまま我慢する人生を送るか。
プロ意識がある人間とプロ意識のない人間、どちらの方が良いと思いますか?どちらになりたいと思いますか?
プロ意識は必要だけど情熱がなければ持つことはできない
ではどうすればいいのか?
結論、情熱が持てる仕事を探すか、今の仕事にやりがいを見つける
それだけです。
このサイトでも繰り返し言っていることですが、結局はそれが後々の人生に響くかなーと思います。
プロ意識もなくその仕事のスキルを磨く気もなければ、不満を抱えたままずっと我慢することになるか、ダラダラと年齢を重ねるだけの人生になります。
もしあなたが現状の仕事にプロ意識を持てないのであれば、根本の問題はここにあるかもしれません。よく見直してみてください、、、
終わりに
仕事のプロ意識は誰かに強制されるものではありません。逆に言えば誰かに強制するべきでもないと思います。
結局は自分次第で本人次第。
冒頭の武蔵野大学の長谷川秀夫教授の発言は間違いではないと思いますが、誰もがその情熱を持っているとは限りませんからね。押し付けるべきではないと思います。
一方で、自分が請け負った仕事をプロとして完遂する強い意思も必要です。問題はそれを自分自身が必要だと思えるかどうか。
もし彼女が、やりがいのある情熱を持てる仕事を他に選択できていれば、、、もっと早くそれを知ることができれば、、、とニュースを見て無念に思いました。
あなたは自分の仕事と、自分の上司と、自分の部下と、自分の会社とどう向き合いますか?